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その一撃は唐突だった。 『予測』不能ッ、『防御』も不能ッ! 完全に不意を突いて、その一撃は用心深いなのはの懐に直撃した。 今、SLBの為の魔力を終息し終え、発射寸前という臨界状態のなのはの胸から、何者かの手が『生えている』―――ッ!! "ドッバアァアアアア―――z_____ッ!!" 「なッ……ぁ、ぁああ……ッ!!?」 突如、何の前触れもなく自身の体の内側から走った衝撃に視線を降ろせば、何者かの腕が胸から突き出ていた。 肉体を突き破って出てきたものではない。しかし、この手は確かになのはの内部を貫いて出現しているッ! そして、その手のひらの中には、なのはの魔力の源である『リンカーコア』があった。 貫いていたのは『肉体』ではなく『魔力的器官』だ。 「な……なのはァアアアアーーーッ!!」 ある種凄惨な光景に、それを見てしまったフェイトが悲壮な叫びを上げた。 しかし、助けに行きたくとも、シグナムがそれを許さない。 「う……あ、あ、ぁあああ……っ」 全身を襲う脱力感と内臓に直接触れられているような激痛を感じながら、なのはは思考を回転させた。 SLBは……『撃てる』! 依然、魔力は集束中! だが、自身の魔力が猛烈な勢いで減少している。『行動』しなければ、今動けるうちにッ! すぐにでも気絶してしまいそうな、断末魔の一瞬! なのはの精神内に潜む爆発力がとてつもない冒険を生んだ。 普通の魔導師は追い詰められ、魔力が減少すればリンカーコアを庇って逃げようとばかり考える。 だが、なのはは違った! 逆に! 『な、何……この子!?』 遠く離れたビルの屋上から、なのはのリンカーコアをデバイス『クラールヴィント』によって掴んでいたシャマルも、その変化に気付いた。 「レイジング……ハート、『バインド』……ッ!!」 なのはは自らの心臓とも言うべきコアを握り締めた敵の腕を、逆にバインドで自らの体ごと縛り付けて、固定したのだ! 「馬鹿な、正気か……っ?」 「なのは、なんて事を……!」 それと見たシグナムとフェイトも戦闘を中止するほどの、驚愕の判断だった。 自分のリンカーコアを握る相手の腕を、逆に『固定』する。普通の者はそんな判断は下さない。 実際に、なのはも一人で戦っていたのなら、こんな無茶はしなかっただろう。まず、ダメージを最小に押さえる事を考える。 しかしッ、なのはは本能で理解していた。 感覚で分かる。魔力が吸い上げられる感覚、この手は自分の魔力を『吸収』している! (これは……『この攻撃』はマズイッ! 魔力弾とか結界とか、そういう魔法攻撃じゃなく、この全く違う『攻撃』は危険だ……ッ!) 敵を倒す為の手段ならば、コアを捉えた時に全ては決している。 だが、敵はコアを潰すのではなく吸収する事を選んだ。 その行為にどういう『目的』があるのかは分からない。しかし、魔力を『奪う』という手段が、計り知れない『大きな目的』に直結しているのだと、なのはは直感した。 この『敵』、この『目的』を放置しておくのは危険だ。ここで倒しておかなければならない―――ッ! なのはは、己の直感に従って、そう判断したのだった。 「目標、変更……既に、『位置』は掴んでいるの……ッ!」 『……! い、いけない!!』 レイジングハートの砲口が向きを変える。 シャマルは我に返った。あの少女は、自分を捉えている。自分は既に狙われている、と! 「スター……ライト……ッ」 「シャマル!」 冷静に動けたのはザフィーラだけだった。 アルフとユーノを弾き飛ばし、全速力でシャマルの元へ駆けつける。 「ブレイカァァァーッ!!」 次の瞬間、桃色の閃光が一直線に空間を切り裂いた。 『シャマル、無事か!?』 『……ええ、なんとか。寸前でザフィーラが防御してくれたわ』 『だが、逸らすので精一杯だった。おまけに、俺もダメージを受けた。とんでもない威力だ、片腕が動かん』 爆光の後、すぐさま念話を飛ばしたシグナムの心に仲間の声が返ってくる。 シグナムは安堵した。 ヴィータの消息も不明な今、これ以上仲間を失うのは御免だった。 そして今、もう一つの意味でも安堵していた。 なのはは、SLBを放つと同時に、力尽きて倒れ伏していた。 「さすがに、無茶をしすぎたようだな。だが……正直冷や汗をかいたぞ。恐ろしい発想と度胸を持った魔導師だ」 「な、なのはぁ~……」 一方のフェイトはシグナムとは全く正反対の心境だった。 「わ……私、どうすれば……? な、なのはが……嘘だ!」 「……どうやら、あの魔導師がいなければ本当に何も出来ないようだな」 未だ戦える状態にありながら、既に戦意喪失してうろたえるしかないフェイトを冷めた目で一瞥し、シグナムはレヴァンティンを構えた。 予想外の事態はあったが、魔力は十分に手に入れた。あとはヴィータを回収して、増援が来る前にここから逃走するだけだ。 「ザフィーラとヴィータの容態も気になる。さっさと済ませるか……消えろ!」 目の前にシグナムが迫っても、もはや震えることしか出来ないフェイトに向かって無慈悲に剣を振り上げる。 ―――しかし、突如下方から閃光が飛来し、シグナムは反射的にそれを回避した。 「何……っ!?」 「……え?」 フェイトから離れたシグナムを、更に別の閃光が襲う。 桃色の光を放つ魔力弾。それが四つ、ミサイルのように自在に軌道を変えて、シグナムに襲い掛かっていた。 それはッ、間違いなくなのはが持つ魔力の光! 彼女の魔法『ディバインシューター』だったッ!! 「な……」 フェイトは目を見開いて、魔力弾の飛来した方向に視線を走らせた。 「ディバイン……シュー……ター……」 「なのはァアァァァ―――ッ!!」 起き上がる事も出来ないほど衰弱した体で、しかしなのはは半ば無意識に魔法を使い続けていた。 朦朧とする意識で操作されているとは思えないような正確さと、獣のような獰猛さで、ディバインシューターは逃げ回るシグナムに追い縋っていく。 「うっ、ううっ……。本当に、その通りだったんだね……なのは」 フェイトは、ボロボロになりながらも戦うなのはの姿に溢れる涙を堪えきれず、震える声で呟いた。 脳裏に、かつてなのはと戦った時の事が思い出される。 あの時、なのはの示した『覚悟』が。その時、なのはが言葉にした『覚悟』が。 「『いったん食らいついたら、腕や脚の一本や二本失おうとも決して『魔法』は解除しないと』私に言った事は!」 海上での戦い。事実上、なのはとの最後の戦いになったあの時、彼女の叫んだ言葉が鮮明に浮かんでくる。 その言葉は、あるいは冷酷な響きを持っているのかもしれなかった。 ―――しかし、同時にフェイトは別の言葉も思い出していた! なのはが、厳しさだけではなく、途方もない優しさを抱えている事を実感した時の言葉も! 全ての出来事が終わり、一旦のの別れとなった、二人で会ったあの時の事―――。 「これから、もうしばらくお別れになっちゃうね……なのは」 「……うん」 「私ね、なのはと友達に……なりたいな」 「……」 必死に言葉を紡ごうとするフェイトの様子に、なのははチラリと一瞥を向けただけだった。 「でも、私、友達になりたくても、どうすればいいかわからない……。だから、教えて欲しいんだ、どうしたら友達になれ―――」 「ねえ、フェイトちゃん。さっきからうるさいよ 『友達になりたい』『友達になりたい』ってさァ~~」 「え……」 無言のなのはに不安になり、捲くし立てるように喋っていたフェイトは、突然遮ったなのはの突き放すような言葉に凍りついた。 恐る恐る顔を上げれば、なのはは戦った時のような強い視線で自分を見つめている。 その強すぎる意志の瞳を、フェイトは睨まれているのだと感じた。 「どういうつもりなの、フェイトちゃん。そういう言葉は私達の世界にはないんだよ……。そんな、弱虫の使う言葉はね……」 「ご、ごめんなさい……っ!」 なのはの強い口調に、フェイトは絶望的な気持ちになりながら俯いた。 拒絶されたのだと、考えた途端に涙が溢れてくる。 友達になりたいなどと、なんておこがましい考えだったのか。フェイトは自分が分不相応な領域に踏み込んでしまったのだと感じた。 ……だが、そんな弱気な考えに沈んでいくフェイトを意に介さず、なのはは告げた。 「ごめんなさい……もう友達なんて欲張りな事言わないから……っ」 「『友達になりたい』……そんな言葉は使う必要がないんだよ。 なぜなら、わたしや、わたしの親しい人達は、その言葉を頭の中に思い浮かべた時には! 実際に相手を抱き締めて、もうすでに終わっているからなの―――」 そして、なのはは泣きじゃくるフェイトを強く抱き締めた。 「え、なのは……?」 「『友達になりたい』と心の中で思ったのなら、その時スデに絆は結ばれているんだよ」 そう言って笑ったなのはは、やはり、いつもの幼い少女の顔ではなかったが―――フェイトの全てを包み込むような、黄金の輝きを放つ笑顔を浮かべていた。 「な、なのはァァ~……ううッ」 「フェイトちゃんもそうなるよね、わたしたちの友達なら……。わかる? わたしの言ってる事……ね?」 「う……うん! わかったよ、なのは」 「『友達だ』なら使ってもいいッ!」 今度は嬉しさで泣きじゃくるフェイトの体を抱き締めた、小さいけれど大きく、暖かいなのはの腕を、今でもはっきり覚えている―――。 「―――わかったよ、なのは! なのはの覚悟が! 『言葉』ではなく『心』で理解できたッ!」 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ そして、フェイトは変貌していた。 その『面がまえ』は、10年も修羅場を潜り抜けてきたような『凄み』と『冷静さ』を感じさせる。それは、はっきりと『成長』だった。 もう、プレシアの影を追い続ける泣き虫のママッ子(マンモーニ)なフェイトはいなくなったのだ! 「『友達になりたい』と思った時は、なのはッ!」 『<Scythe form> Setup!』 フェイトの戦いの意思に呼応し、バルディッシュがフォームを変化する。 「―――すでに私達は絆で結ばれているんだね」 かつてない速度で飛翔する。 本来の戦闘スタイルを取り戻したフェイトは、かつてなのはと戦った時と同等……いやかつて以上のスピードでシグナムに肉薄した。 レヴァンティンの刃と、バルディッシュの光刃が激突する。 「何、この気迫……! さっきとはまるで別人だ!?」 『シグナム、聞こえる? ザフィーラとヴィータを連れて逃げたいんだけど、ダメなの! まだ私の腕は固定されているみたいなのよ!!』 眼前に迫るフェイトと聞こえてきたシャマルの念話に、歴戦のシグナムをして冷たい戦慄が走り抜けた。 「やるの……フェイトちゃん。わたしは……あなたを、見、守って……いる、よ……」 ―――もはや半ば気を失いながら、魔法を行使し、且つ自分の命を鎖にして敵を捉える続ける少女の覚悟。 ―――僅か時間で、臆病な弱者から戦士へと変化した目の前の少女の成長。 シグナムは自らの体験している出来事が、まったく未踏の領域にある事を理解した。 苦境には何度も立たされた。命がけの戦いにも挑んだ。 だが、今自分が目にしているものは、それらとは全く種類が違う『脅威』だ―――! 「何者だ……お前達は!?」 「なのはが選んだ……『撃退』じゃなく『撃破』! アナタたちはここで倒すッ! 私はフェイト・テスタロッサ! 高町なのはの『友達だ』―――ッ!!」 バ―――――z______ン! リリカルなのはA s 第二話、完! 戦闘―――続行中!! ヴィータ―気絶中。 シャマル―拘束中。 ザフィーラ―負傷。なのはのバインドを解除作業中。 アルフ、ユーノ―負傷、気絶中。 なのは―昏睡状態。しかし、魔法は依然継続中。 to be continued……> 前へ 目次へ 次へ
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「主はやてから、ある程度話は聞いていたが、状況は相当酷いようだな」 シグナムが深刻な表情で言いながらなのはの方を振り向くと、なのはは暗い表情で 膝の上に置いた手を見つめていた。 「フェイトちゃん…」 突然、ヴィータがなのはの前にやって来て、彼女の顔に両手を当てて自分の方を振り 向かせて大声で言った。 「テスタロッサは大丈夫だ、そうだろ!? なのは!!」 周囲の人間が、驚いて振り向くのも構わぬヴィータの剣幕とその真摯な視線に、なのは は眼を見開いてヴィータを見つめる。 続いて、シグナムが励ますように笑顔で言った。 「なのは、テスタロッサはかつて、お前のスターライトブレイカーの直撃にすら耐えた のだろう? ならば、前線基地一つが壊滅する程度の攻撃では死なんよ」 「シグナム。それ、フォローになってねーんじゃ…?」 ヴィータが白けた表情で言うと、シグナムは鼻白んで天井を見上げながら言った。 「む…そ、そうだな…」 なのはは首を横に振り、微笑みながら言う。 「ううん、今まで色々と大変な事はあったけど、私もフェイトちゃんも――」 なのははそこで一旦言葉を切り、二人の肩に手を置いて、再び話し始める。 「そして、みんなの力でそれを乗り越えていったんだよね。 ありがとう。ヴィータちゃん、シグナムさん」 なのはが多少ながらも力を取り戻したのを見て、シグナムとヴィータは互いに顔を 見合わせ、笑みを浮かべた。 実用性に優れた、質素な家具が並ぶ広い洋間。 部屋の中央部にはテーブルがあり、そこには二つの高級ソファーが向き合う形で配置 され、一方には恭也・美由希とヴィヴィオが座っている。 反対側に座るのは、コバルトブルー一色に統一されたパスリーブクレリックシャツと ロングスカートの、桃子と同年代で、オパールグリーンの髪に額に紋章の入った女性。 ボストンレッドソックスTシャツに迷彩色のハーフパンツを穿いた、犬耳と尻尾を 生やしたオレンジ髪の少女。 ロボットのおもちゃで遊ぶ二人の子供をあやす、黒の半袖ポロシャツに白のカジュアル パンツの、二十代前半の栗色のショートヘアーの女性。 彼女たちは、窓際に表示されている空間モニターを真剣な表情で見つめていた。 「現在のところ、基地及びその周辺で生存者が確認されたという情報は、残念ながら 入っておりません」 モニターには、演壇に立ったゲラー長官が、フラッシュを浴びながら記者や視聴者に 向けて語りかけている。 「しかし、政府は、生存者の捜索と救出に全力を尽くすべく、次元航行部隊を当該 世界へ向けて緊急派遣し、事件についても、現在総力を挙げて調査中です。 この残忍かつ一方的な攻撃の重大性、攻撃の規模と、推定される犠牲者数の多さを 鑑みて、元老院は時空管理局統合幕僚会議の諮問に同意し、管理内外世界総ての部隊に DEFCON3体制を発令。最高レベルの防衛準備体制に移行しております」 「なのは達が慌てて帰っていったのは、このためか」 恭也は、モニターを見ながら呟く。 「ごめんなさいね、久しぶりのなのはちゃん達との再会に水を差すような事になって」 ティーカップを持った、オパールグリーン髪の女性が申し訳なさそうに言うと、美由希 が首を横に振って答える。 「リンディさんが謝る事はありませんよ。むしろ、娘さんが行方不明ですごく心配でしょう」 リンディ・ハラオウン次元部局執務統括官は、硬い表情でカップのお茶を少し飲んでから、 小さく言う。 「そうね。血の繋がりはなくても、大切な娘だから…」 「フェイト…」 リンディの隣に座る、オレンジ髪の少女が不安げな表情でモニターを見つめながら 言うと、栗髪の女性が少女に問いかけてきた。 「アルフ、フェイトちゃんの気配とか何か感じない?」 エイミィ・ハラオウンの言葉に、フェイトの使い魔アルフは、目を閉じて意識を 集中する。 「ダメ、世界が違うから何も」 アルフはしばらくして目を開き、体の力を抜いて天井を仰ぎながら言った。 「でも、フェイトが助からなかった場合、契約が消滅して…魔力供給に影響も出る はずだから…」 アルフから続いて出た言葉に、リンディは期待を抑えきれない口調で言った。 「じゃあ、フェイトはまだ…」 「確証はないけど、生きてるとは思う」 アルフの言葉に、リンディにエイミィとヴィヴィオの表情が少し明るくなり、恭也 と美由希は顔を見合わせて頷いた。 「フェイトママ…今、どうしてるんだろう……?」 ヴィヴィオは、遠い世界で必死に生き残ろうと戦っている、もう一人の母親を憂え ながらぽつりと呟いた。 前へ 目次へ 次へ
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/ / ; =ミ >x ) } . ′ ;厶イぅ / =;彡ム ヘ / r 彡 代=Lイ / } ‘, /. . | 「 〃 / / // / / ', /. . イ ィL.レイ{ / /  ̄イ7 ァ-ィ ;イ . . } i . 厶彡 〃 ∧;.イ /}「芹卞 ミ7 / ムL_ / | ト /ィ // / ヘ7 ィ 1`辷ソ_V/7'ィfrz /; | |ヾ 、. /// / . ' /| { Y人! | . . . /′´ 以ノ/ / i. | | \ // ,. ′ .;イ / / Li」 jハ小| 〉 .`7イ 1 | ハ | ヽ . ′′. ′. // 〃' ノ }ト! ー _ 彡 /!/ } ;. // / /. / 〈r≦- ̄` K== L\ ` . イ / / j′ j/.《 { //. ′ 7. . . . . . . ≫x.>、 `7< . . / / / / ヾ v'. { .′. . . . . . . . . . . i| \/ |{ /イ. . ./ / ,′ / . . ハ. /. . . . . . . . . . . . . . l| ヾ _廴./ |. ./. ′ .′ ; . .∨. . . . . . . . . . . . . . .└- _ ヾ辷x 厶′ { / /. . . . . . . . . . . . . . . . ノ/ .` .、 トミス、 Ⅵ r=≦. . . . . . ... √ ̄ィニ=ー-=ミ フ⌒ヾ入、 ヾ 「 ̄ = 彡 ´ ィ{‐" く v \ \ . .} /イ // . ヽ . . ヘ ヾ'`ー " 〃 / i . . ‘, レ ´ ヽ / 〃 . トミ . v'. ′ ',. / _」{ . \ ,.ィ_ _. .. }ヽ / -‐=ニ ̄{. ` ー- ァ≦ ._Z=彡′ ハ \. く . . . .ヾ r‐, <了. _;/ } ハ. ヽ \ ` r Y `Т  ̄{ . / 廴_ \ ` ┐、 ≧! ト、 v 乂 ′ `ヽ >x // `ヽ、 { |ミ x 「`彡ヘ \ ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋ 【シグナム】 担当教科 剣術 ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
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【名前】高町なのは(sts) 【出典】魔法少女リリカルなのはStrikerS 【声優】田村ゆかり 【種族】人間 【性別】女性 【年齢】19歳 【外見】 日本人の女性。茶髪のサイドポニー。身長は160㎝前後。高町なのは(A s)の面影を残す。 【性格】 優しく明るい性格で、誰かの悲しみや寂しさを放っておけない。温和な中にも厳しさがあり、怒るとかなり怖い。 【原作での設定】 高町なのは(A s)の約10年後の姿。鈍かった運動神経もある程度克服し、優秀な教導官となっている。時空管理局有数の魔導師として知られている。また10年の間に、リハビリに半年もかかる程の重傷を負っている。 明確な参加時期は、初登場作品の書き手に一任。 【面識のある参加者】 名前 呼び名 関係 高町なのは(A s) ― 約10年前の自分の姿 フェイト・T・ハラオウン(A s) フェイトちゃん(当時) 10年前の親友の姿 フェイト・T・ハラオウン(sts) フェイト隊長(公用)フェイトちゃん(私用) 10年来の親友 八神はやて(A s) はやてちゃん(当時) 10年前の親友の姿 八神はやて(sts) はやて隊長(公用)はやてちゃん(私用) 10年来の親友 ユーノ・スクライア ユーノくん 10年来の仲間 クロノ・ハラオウン クロノ提督(公用)クロノくん(私用) 10年来の仲間 シグナム シグナム副隊長(公用)シグナムさん(私用) 10年来の仲間 ヴィータ ヴィータ副隊長(公用)ヴィータちゃん(私用) 10年来の仲間 シャマル シャマルさん 10年来の仲間 ザフィーラ ザフィーラさん 10年来の仲間 スバル・ナカジマ スバル 大事な教え子で部下 ティアナ・ランスター ティアナ 大事な教え子で部下 エリオ・モンディアル エリオ 大事な教え子で部下 キャロ・ル・ルシエ キャロ 大事な教え子で部下 【技能・能力】 能力名 内容 魔法 自身の魔力を用いて起こす技能。特に砲撃、防御の魔法に優れる。 デバイス操作 デバイスを扱う技能。特にレイジングハート、レイジングハート・エクセリオンの扱いに優れる。 教導 他者を教え導き、能力を高める技能。特に基礎鍛錬、射撃関係の教導に優れる。 以下、リリカルなのはクロス作品ロワイアルにおけるネタバレを含む +開示する 【ロワでの面識(074 Round ZERO ~ SAWS CUNNING(後編)の時点 )】 キャラ名 呼称 関係 初遭遇 フェイト・T・ハラオウン(sts) フェイト隊長(公用)/フェイトちゃん(私用) 10年来の親友 未遭遇 八神はやて(sts) 八神部隊長(公用)/はやてちゃん(私用) 10年来の親友 未遭遇 ユーノ・スクライア ユーノ君 10年来の仲間 未遭遇 クロノ・ハラオウン クロノ提督(公用)/クロノ君(私用) 10年来の仲間、フェイトの義兄 未遭遇 シグナム シグナム副隊長(公用)/シグナムさん(私用) 10年来の仲間 未遭遇 ヴィータ ヴィータ副隊長(公用)/ヴィータちゃん(私用) 10年来の仲間 未遭遇 シャマル シャマルさん 10年来の仲間 未遭遇 ザフィーラ ザフィーラさん 10年来の仲間 未遭遇 スバル・ナカジマ スバル 大事な教え子で部下 未遭遇 ティアナ・ランスター ティアナ 大事な教え子で部下 未遭遇 エリオ・モンディアル エリオ 大事な教え子で部下 未遭遇 キャロ・ル・ルシエ キャロ 大事な教え子で部下 未遭遇 ヴィヴィオ ヴィヴィオ 保護対象 未遭遇 ギンガ・ナカジマ ギンガ 仲間 未遭遇 ルーテシア・アルピーノ ゼスト・グランガイツ クアットロ クアットロ 警戒 未遭遇 チンク ディエチ 柊かがみ ?(名前は知らない) 保護対象 026 残る命、散った命(前編) 金居 金居君 仲間(少し警戒) 026 残る命、散った命(中編) シェルビー・M・ペンウッド ペンウッドさん 仲間 026 残る命、散った命(中編) 武蔵坊弁慶 弁慶さん 仲間 060 敵か味方か? 高町なのは(A s) もう一人の自分 未遭遇 フェイト・T・ハラオウン(A s) もう一人のフェイト 未遭遇 八神はやて(A s) もう一人のはやて 未遭遇
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―――10 スタースクリームが飛び立つ様子は、法王亡き後臨時に教会の全権を掌握した枢機卿会議 より、教会を占拠したメガトロン達の監視を命じられた教会騎士が目撃しており、直ちに 会議へ報告が送られた。 「判ったわ。それで、法王様は…?」 シャッハから報告を受けたカリムは、メガトロンを食い止める為に地下に留まった法王の 安否について尋ねる。 どう話すべきか思いあぐねたシャッハの様子に、カリムは何が起きたのか理解する。 「そう…」 カリムは寂しげな表情で一言呟いたきり、沈黙して目を閉ざした。 一方、管理局上層部はスタースクリームが何を目的にこちらへ向かっているのかを巡って 議論を繰り広げていた。 「まず最初に考えられるのは元老院だが…」 「…最高法院やここも目標に入っているかもしれん」 「戦略目標としてなら、市外北部のテダンガイル基地も含まれるな、至急基地に連絡して…」 「いや、だったら一番危ないのクラナガン沖に現在集結中の空母機動部隊だろ?」 スタースクリームの目的について意見を戦わせる幕僚たちを尻目に、ゲンヤは何気なく 呟く。 「奴が動き出したのは、ちびダヌキがGDどもへの攻撃を始めた直後だったな…」 ゲンヤの呟きを聞いたなのはは、敵が何を考えているのか突然悟った。 「はやてちゃんが…!」 なのはは目を見開いて呻くように言う。 その言葉を聞いたゲンヤと長官も、それが意味するものを瞬時に理解する。 「そうか、狙いは八神か!」 「高町一佐、急ぎ救援に向かえ!」 長官が鋭い声で命令を下すと、なのはは即座に敬礼して答える。 「了解しました、高町なのは一等空佐、直ちに出撃します!」 議論に熱中していた幕僚たちは、その横をすごい勢いで駆けて行ったなのはの後ろ姿を、 ポカンとした表情で見つめている。 「あ、あの…。長官、敵の意図が判ったので?」 恐る恐る尋ねてきた幕僚に、長官は冷静な口調で命令を下した。 「八神一佐に至急連絡を入れろ。眷属の狙いは一佐の命だ、すぐに後退して高町一佐と 合流するように…とな」 「は、はい! 直ちに」 命令を受けた幕僚は、なのはに続いてNMCCへと急ぎ駆けて行った。 ある程度ドローン部隊を叩き落として息が上がってきたはやては、自分のリンカーコアの 状態を改めてチェックする。 「よし、まだまだ行ける! リイン、次の目標は?」 “もうすぐ出ますです” ユニゾン中のリインフォースが攻撃目標の規模と座標を伝えようとした時、はやての右隣り に空間モニターが表示される。 「八神一佐、緊急事態発生です」 モニター内の士官が、緊張した面持ちではやてとリインフォースに状況の説明を始める。 「魔神の眷属が一体、聖王教会からクラナガンへ向けて飛び立ちました。狙いは一佐と推測 されます。 現在、高町一佐が救援に向かっていますが、相手の移動速度が早過ぎて間に合うか分かり ません、至急退避を願います」 「あともう少しでGD達を全部落とせるんや、ちょっと待って貰えへんか?」 はやてからの異議に対して、士官は後退を促す。 「その余裕はありません、直ちに退却して下さい」 はやてと士官の問答が続く中、護衛部隊の指揮官を務める魔導師が傍らにいる部下達へ 目配せする。 その中から鱗肌に長い触角と、大きい目に長い複数の口吻を持った魔導師が出てきてはやて に言葉をかけた。 「失礼致します」 「ちょっ…!」 抗議の声を上げる暇もなく、はやては護衛の魔導師にお姫様だっこで抱え上げられる。 はやての身柄を確保すると、魔導師部隊は最大限の速度で後方へ退却する。 「どこへ向かいます?」 一人が指揮官に尋ねると、指揮官は少し考えてから言う。 「まずは一刻も早く高町一佐と合流し、ここから一番近いテダンガイル基地へ向かおう」 「ウーオッ!」 魔導師達は、一刻も早くなのはと合流しようとより加速をかける。 一方、魔導師に抱え上げられたままのはやては、その腕から離れようとジタバタ暴れていた。 「ちょっと! ちゃんと自分で飛ぶさかい、ええ加減に離してや!」 そんなはやての抗議にお構いなく、魔導師部隊は自分たちの限界速度まで、いやそれ以上 を目指さんとばかりに更に加速する。 周囲の警戒に当たっていた魔導師の一人が、全員に警告する。 「八時の方向より未確認物体(アンノウン)が三つ接近!」 一瞬魔導師たちに緊張が走るが、モニターに味方である事を示す緑の表示とはやて直属の 守護騎士“ヴォルケンリッター”の面々の名前が出るのを見ると、ほっと安堵のため息を漏らす。 「主の護衛、感謝する」 シグナムが魔導師たちの労をねぎらう一方、紅いドレスとウサギのぬいぐるみの付いた帽子が 少女趣味なバリアジャケットに“グラーフアイゼン”と呼ばれるハンマー型デバイスを持った ヴィータが、険しい表情ではやてを抱える魔導師を睨みながら言う。 「おい、はやてに気安く触るんじゃねぇよ!」 その様子に、青のシンプルなバリアジャケットを着込み、がっしりした体格と顔立ちと獣耳 の組み合わせがアンバランスな印象を与える“盾の守護獣ザフィーラ”が、執り成すように 魔導師へ言葉をかける。 「ここからは私が引き受けよう」 ヴィータの剣幕に少々怯みがちだった魔導師は、頭を下げてはやてをザフィーラに託す。 「お願いします!」 「ザ、ザフィーラ! だから私は大丈夫やって!」 今度はザフィーラにお姫様だっこされたはやては、顔を赤くしながら抗議するも、またしても 取り合ってもらえない。 突然、その場に居る全員の空間モニターに、けたたましいアラーム音と共に緊急警報の表示が 現れる。 「眷属が成層圏より急速接近中!」 警報を受けた魔導師たちは、どこから接近して来るのか、眼を皿のようにして周囲を見回す。 「見えるか?」 「いや、どこだ!?」 接近して来る機影に最初に気付いたのは、ヴォルケンリッターの三人だった。 「上だ!」 彼女達の叫びに魔導師たちが頭上を仰ぐと、X字に翼を広げた戦闘機がいつの間にかそこに 在った。 それは彼等の眼前でたちまち変形を始め、あっという間に人間の形をした金属の化け物へと 姿を変える。 「いよう、人間ども!」 金属の怪物は、魔導師達の鼓膜を破らんばかりの大音声で、高らかに宣言する。 「冥土の土産に教えてやるぜ! デストロン軍団のニューリーダー、航空参謀スタースクリーム たぁこの俺様の事よぉ!」 「ミッド語…!」 自分達と同じ言葉を喋った事に、はやては驚愕の表情を浮かべる。 スタースクリームはまず、足を振り下ろして護衛の魔導師一人を叩き潰し、次いで二人目に 機銃弾を雨あられと浴びせて撃ち落とす。 「散開しろ! 一箇所に固まってたら全滅する!」 ヴィータの言葉を待つまでもなく、魔導師達は一斉に散らばり始める。 その間にもう一人を右腕で殴り倒したスタースクリームは、次の獲物をヴィータに定める。 背後に付いた魔導師がディバインシューターを撃ち込むも、これは苦もなく叩き落とされ、逆に ミサイルを喰らって粉々に吹き飛ばされる。 「このっ…! アイゼン!」 ヴィータは毒づくと、自らのハンマー型デバイス“グラーフアイゼン”に呼び掛ける。 “了解!” グラーフアイゼンはヴィータの呼び掛けに応えてカートリッジを一個装填すると、“ラケーテン フォルム”と呼ばれる、片側にスパイク、もう片方に噴射口付きのハンマーの形に変形する。 ヴィータが振りかぶると足元にベルカ式魔方陣が展開され、噴射口から魔力の炎が吹き出す。 「打ち砕け!!」 ヴィータは超高速で“ラテーケンハンマー”を振り抜く。 だが、スタースクリームはそれを難無くかわすと、逆に右腕からモーニングスターを展開して ヴィータを殴り倒す。 巨大な質量と桁違いの固さを誇る金属の拳をまともに受けたヴィータは、たまらず錐揉み状態で 墜落する。 「ヴィータ!」 はやては声を上げるが、ザフィーラがスタースクリームの攻撃を回避しようとジグザグ飛行を 行っているので、しがみつくだけで精一杯の状況だった。 「ここは私が何とかする、主の事は頼むぞ!」 「心得た!」 シグナムの言葉を受け、ザフィーラは全速力で現場を離れる。 「シグナムあかん! あの眷属は―――」 静止しようとするはやての言葉は途中で遮られた。 スタースクリームが立て続けに機銃弾を撃ち込んでくると、シグナムはシールドを斜めに展開して それを弾き逸らす。 スタースクリームはそのまま機銃を撃ち込み続けながら、戦闘機に変形して突っ込んで来る。 シグナムはギリギリまでタイミングを待ち、衝突する直前に横に跳んで回避する。 跳びながらシグナムはレヴァンティンを“シュランゲフォルム”という蛇腹剣様に変形させ、 スタースクリームへとその剣先を伸ばしていく。 スタースクリームは人間では到底不可能な急制動で旋回してその切っ先を避けるが、シグナムも レヴァンティンを巧みに動かして懸命に追いかける。 「ちいっ! しつこい剣だな!!」 スタースクリームは毒づくと、人型に変形して追って来るレヴァンティンを右手で掴む。 「!?」 予想だにしなかった行動にシグナムが驚きの表情を浮かべると、スタースクリームは厭味な笑い で返す。 そしてレヴァンティンを掴んだまま自分の身体をグルグル急激に回転させ、シグナムを強烈な遠心力 で振り回す。 “おい…シグナム! …大丈夫か!?” 身体にかかるGに必死に耐えながら呼び掛けるアギトに、シグナムも耐えながら答える。 「…私の方は大丈夫だ…それよりアギト…奴に体当たりをかけるぞ…!」 指示を受けたアギトは、ニヤリと笑って言う。 “OK! 炎熱加速!” その掛け声と同時にシグナムの背に炎の翼が現れる。 「レヴァンティン、モードリリース!」 “了解!” シグナムの命を受けたレヴァンティンは、蛇腹を収納して急速に剣の形の戻っていく。 スタースクリームとの距離を一気に詰めたシグナムは、そのままスタースクリームへ体当たりをかける。 「うおっ…!」 アギトの炎熱加速による身体強化と攻撃魔法の援護を受けたシグナムの体当たり攻撃は予想外に強力で、 弾き飛ばされたスタースクリームも思わず驚きの声を上げた。 その隙にシグナムは体勢を立て直し、全速力で後方へ飛ぶ。 それに負けじとスタースクリームも戦闘機に変形して後を追い掛けて来る。 背後からスタースクリームが急速に追い付いて来るのを確認すると、シグナムはアギトに声をかける。 “奴が追って来る。アギト、精密誘導の方を頼むぞ” “OK!” シグナムはまっすぐに飛びながらスタースクリームの方を振り向くと、レヴァンティンの鍔に鞘を合わせる。 すると、剣と鞘の両方からカートリッジが排挾されて“ボーゲンフォルム”と呼ばれる弓の形へ変形する。 次いで弦を引き絞る形に構えるとレヴァンティンの刀身の一部が矢の形になり、魔力光が矢を包み込んだ。 「駆けよ、隼!」 掛け声に気合いを込めて、シグナムは切り札“シュツルムファルケン”を放つ。 それを見たスタースクリームが機首を上に向けて急上昇すると、シュツルムファルケンもその後を追って上昇する。 スタースクリームは急上昇を続けながら、突然農薬を空中散布するかの様に大量のミサイルを全方向へ発射した。 ばらまかれたミサイルは魔力の矢に反応し、たちまち明かりに群がる虫のように殺到して一斉に炸裂する。 至近距離での爆発にシュツムファルケンも反応して、スタースクリームの遥か手前で自爆してしまう。 「なにっ!?」 切り札がミサイルによる弾幕で防がれた事にシグナムは驚きの声を上げる、それが彼女にとって 致命的な隙を作る事となった。 爆炎の中から飛び出して来たスタースクリームは、右腕を伸ばしてシグナムをガッチリと掴むと、 そのまま回転しながらクラナガン市街へ急降下する。 シグナムは抜け出そうと身体を動かしてみるが、金属の手はしっかりと閉じられており、身動きもままならない。 134 名前:魔法少女リリカルなのは TRANSFORMERS[sage] 投稿日:2011/05/10(火) 19 45 42.23 ID /EKkpuIZ [8/12] EW-TTの陰に隠れて小銃型デバイスのカートリッジ交換をしていた、上半身は白い牙が幾つも 生えた口に白い豚、下半身は電動車椅子という姿をした魔導師が何気なく空を見上げると、金属の 化け物が独楽のように回転しながら頭上目掛けて落ちて来るのを見た。 仰天した魔導師は、横で短機関銃型デバイスを構えて攻撃魔法をドローンへ撃ち込んでいる、身長 2メートル弱の浅黒い肌をした狼の姿の同僚の肩を叩いて叫ぶ。 「おい! 何か上から落ちて来るぞ!」 それを聞いた部隊の数人かが空を仰ぐ。 魔導師を片手に頭上目掛けて急降下するスタースクリームの姿に、陸士部隊はパニックに陥る。 「退避! 退避だ!」 部隊長の指示を待つまでもなく、魔導師たちはクモの子を散らすように逃げ出した。 スタースクリームはEW-TTの頭上スレスレで水平飛行へ移り、進路前方に立っていたドロップキックを左腕で殴り倒す。 「どけどけぇ! ニューリーダー様のお通りだぞ!」 周囲に破壊を混乱を撒き散らしながら、スタースクリームは大通りを超低空で疾走する。 音速以上の速度で飛んでいる為、進路上にある総ての建物の窓ガラスがソニックブームで粉々に砕け散り、 それを目の当たりにした人々が逃げ惑い、走行中の車輌がパニックで次々と衝突を引き起こす。 このままでは二人とも共倒れになる、そう判断したシグナムは、アギトとのユニゾンを強制解除する。 「シグナム!」 射出されたアギトの姿は、たちまちのうちに見えなくなる。 スタースクリームはその事に気付かぬまま―――気付いたとしても意にも介さなかったろうが――― 鼻歌混じりにシグナムへ声をかける。 「おい、人間! 俺様はこの街に来たばかりで全然地理に疎いんだ。 一つ道案内でも―――うおっ!」 前方への注意が疎かになっていたスタースクリームは、“危険物輸送中。可燃、注意”と言う警告文が 書かれた巨大なタンクを取り付けたコンボイトラックに頭から激突した。 スタースクリームの身体は大きく跳ね上がり、トラックの後ろにあったワゴン車や普通乗用車の上へ 仰向けに倒れ込んでぺしゃんこにする。 一方、弾みで放り出されたシグナムはフロントグラスを突き破り、トラックの運転席に叩き付けられる。 次の瞬間、破壊されたトラックから漏れる燃料と火花を散らす電気系統が接触してトラックが一瞬にして炎に包まれる。 更にそれは破損したタンクから流出した可燃物にも引火し、車全体が轟音と共に盛大に炎と破片を吹き上げる。 起き上がって周囲に誰も居ないか確認するかのようにキョロキョロ見回した後、スタースクリームは場を 取り繕うかのように派手に炎上するトラックを睨みながら、わざとらしい大きな声で笑いながら言った。 「へ…へへっ。流石のエース級魔導師もこれで永遠にGOOD NIGHT! HAHAHA!」 「シグナム!」 シグナムとの意識の接続が途切れた瞬間、はやては大声で叫んだ。 はやての様子から、囮となって敵の注意を引き付けていたシグナムが倒された事を悟った指揮官は、 傍らを飛ぶはやてを抱き上げていた魔導師に尋ねる。 「高町一佐はまだか?」 指揮官の質問に答えようとした魔導師が、突然爆炎に呑み込まれて墜落する。 全員が振り返ると、スタースクリームが厭味たっぷりな笑い浮かべながら、急速に距離を詰めて来る。 「全員八神一佐の前に回れ! 可能な限り眷属の進行を食い止めるんだ!」 「ウーオッ!」 そう言ってはやての前―――すなわちスタースクリームの射線上―――に立った指揮官の後に、護衛の 魔導師たちも続く。 「駄目や! 逃げ…」 はやてが呼び掛けようとした時、スタースクリームはミサイルと機銃とモーニングスターでもってして、 魔導師達を蠅の如く次々と叩き落としていく。 はやては怒りに燃える眼でスタースクリームを睨み付けた後、自分を抱えながらジグザグ飛行を続けるザフィーラに言う。 「真っすぐに飛んでもらえる?」 「主!?」 突然のはやてによる指示に、ザフィーラは戸惑ったように目を向ける。 「敵の攻撃目標は私なんやろ? なら、望み通りにしてやろうやないか。ただし、こちらの砲撃魔法を 零距離で叩き込んで、最悪相討ちに持ち込んでやるつもりやけどな」 剣歯虎のような笑みを浮かべるはやてに、ザフィーラは戦慄を感じた。 ジグザグ回避をやめて一直線に増速を始めたはやてとザフィーラを見て、スタースクリームは嘲りの声を彼らに掛ける。 「速さでこの俺様に敵うわけねぇって既に分かってるだろが!」 その言葉通り、スタースクリームは戦闘機に変形すると、二人との距離を急速に詰めて来る。 「そうや、こっちへ来ぃ…。ええ子やからこっちへ来ぃ…!」 はやては、真っすぐ突っ込んで来るスタースクリームを凝視しながら小さく呟くと、シュベルトクロイツの 柄をスタースクリームに向け、小さな声で永唱を始める。 「彼方より来たれ、宿り木の枝。 銀月の槍となりて、撃ち抜け…!」 更に距離が詰まってきた時、はやては溜めた魔力を一気に解放する。 「ミストルティン!」 その掛け声と共に五本の魔力の矢が、はやてのデバイスから放たれる。 それと同時にスタースクリームも急停止して同数のミサイルを放つ。 ミサイルはミストルティンに命中すると石化して墜落して行く。 「え…?」 ミストルティンが防がれた事より、まるでこちらの攻撃を予測したかのような相手の素早い対応に、 はやては呆気に取られたような声を上げる。 「へっ、馬鹿どもが! 先程の魔導師との戦闘でそちらの攻撃パターンはほぼお見通しなんだよ!」 スタースクリームは嘲笑うように言う。 「させん!」 ザフィーラは気合の声と共に自分たちの手前に厚い氷の壁を現出させる。 だが、スタースクリームにとってはベニヤの壁に等しく、体当たりであっさりと破られてしまう。 「その首もらったぁ!!」 雄叫びと共に、スタースクリームははやてとザフィーラに銃口を向ける。 “殺られる!” 迫り来る死を目前にしたはやては、本能的に目を閉じて身を固くする。 その次の瞬間、真上からミッド式防御魔方陣を展開させた人影が、二人とスタースクリームの間に 割って入って来た。 スタースクリームの撃ち出す機銃弾は、ことごとくその魔方陣に弾かれる。 「なにっ!?」 スタースクリームは驚きの声を上げる。 目の前の人影―――小学校時代の制服を基にした白いロングドレスのバリアジャケットにポニーテール の髪型をした高町なのは―――は、本局ビルへ簡潔に報告する。 「こちら“イーグルマザー”只今到着致しました」前へ 目次へ 次へ
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逆境をチャンスに変え、謎の襲撃者ヴィータを撃退したなのは。 結界は解除され、急行したフェイトやユーノ、アルフとも合流し、彼らは再会を喜び合うのだった。 しかし、団欒の時間も束の間。新たな結界が四人を戦闘空間へと隔離する。 そこで再び襲い掛かって来たのは、ヴィータの仲間であるシグナムとザフィーラであった。 今宵、二度目の死闘が開始される―――。 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ 「仲間の敗北は、仲間が返す―――覚悟して貰うぞ、幼い魔導師」 「……こいつぁ、なかなかグレートな状況なの」 ブレイドタイプのデバイスを構えた女戦士が放つヴィータ以上のプレッシャーを前に、しかしなのはもまた顔色一つ変えずに佇んでいた。 普段の年相応な少女の顔を消し、歴戦の猛者の如き迫力を放つなのはを見て、ユーノとフェイトは既視感を覚えていた。 (この……なのはから感じる『凄み』! 普段のなのはじゃない! 私やアルフと戦った時と同じ、なのはの中にある『何か』のスイッチが入ったんだ……ッ!) それは、なのはが『覚悟』を決めた時の姿だった。 敵を倒す時、『必ずやる』と決めた時、いつもなのははやり遂げる『凄み』を持っていた。 フェイトは普段の優しいなのはの方が好きだったが、今この状況で、今の状態のなのはほど頼もしい存在はいないッ! そう確信もしていた。 「な、なのは……」 「フェイトちゃん。私はこの結果を破壊する為に『スター・ライト・ブレイカー』の用意をしなくちゃあいけない。 だから、ユーノ君達と協力してあの二人と戦って。もちろん、倒しちゃってもいいよ……」 シグナム達を睨んだまま、振り返りもせずに言い切るなのはの自信に満ち溢れた姿。 その姿を見る度に、フェイトは憧れを抱き、同時に自分がどうしようもなく弱気になるのを感じていた。 なのはは偉大だ。とても同い年の少女とは思えない。そんな彼女の『心の強さ』に、フェイトはいつも縋りそうになってしまうのだった。 「で、でも……なのはァ……。 あ、あんまり私に期待しないでよ……私なんかに。結界は私が壊すから、なのはが戦った方がきっと勝ち目も大きいと思うし……」 かつて『母親の為』ならば冷徹な戦闘マシーンのようになれたフェイトも、その母を失ってからはもはやあの時の仮面を被れなくなっていた。 すぐ傍に、なのはという大きな存在がいる事も原因だ。 泣き言を漏らすフェイトに振り返ると、なのははそっと手を伸ばす。 フェイトは殴られると思った。なのはが自分を叱責する時、いつもまず一発入れてから目を覚まさせるのだ。 しかし、なのはは殴る事などせず、フェイトの顔に両手を添えると、互いの額をコツンとつき合わせて視線を合わせさせた。 あまりに近いなのはの顔に、そして覗き込む思わぬ優しい瞳に、フェイトの頬は赤く染まる。 「フェイト、フェイト、フェイト、フェイトちゃァ~ん。 わたしはフェイトちゃんを信じてるの。わたしがいつも怒ってる事なら……『自信を持って』 フェイトちゃんのスピードや魔法は、その気になれば何者にも負けない能力なんじゃあない? そうでしょ? 『自信』を持っていいんだよ! フェイトちゃんの魔法をね―――」 「そ……そうかな?」 「そうだよ」 たったそれだけのやり取りの中で、フェイトの中にみるみる『自信』が湧いてくるのを感じた。 使い魔の自分を差し置いての会話に、面白くなさそうな表情をするアルフ。彼女はフェイトの支えになっているなのはという少女が苦手だった。 「……茶番だな。お前は戦わないのか? そこの情けない小娘に任せて、お前はどうする?」 なのはとフェイトの会話を聞いていたシグナムが嫌悪を露わに吐き捨てる。 自分の意思で戦えない者は、彼女にとって未熟者でしかなかった。 「フェイトちゃん、任せたよ」 「わ、わかったよ、なのは!」 なのははシグナムの挑発を無視し、SLBを撃つ為に手ごろなビルの屋上まで移動していく。 完全に背を向けた無防備な後姿を隠すように、バルディッシュを構えたフェイトが立ち塞がった。 「アナタの相手は、私です」 「貴様はあの魔道師の部下か?」 「違う! 私は……『友達になりたい』と、思っています」 「……茶番だ」 シグナムは吐き捨て、次に瞬間フェイトに襲い掛かった。 同時に、アルフとユーノもザフィーラと戦闘を開始した。 前へ 目次へ 次へ
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番外編その一「馬鹿騒ぎのレディーズ’バス」 機動六課隊舎内 大浴場 ここは、はやての要望により建設され、つい最近完成したばかりの設備である。 ちなみにその経費は、はやてがクロノを脅s…ゲフンゲフン、説得して捻出したとかしないとか。 まぁそれはさておき―― 「いっちばーん!」 夜九時、訓練と仕事を終えたスバル達が浴場に入ってきた。 「スバル、お風呂場で走るんじゃないの!転ぶわよ!」 「へーきへーき…ってあ痛ぁっ!?」 濡れたタイルに足を取られ、スバルは派手に後頭部を打った。 「言ってる側から…」 「あはは…」 呆れ返るティアナと苦笑するキャロ。 「う~、頭がバカになったらど~しよ~。」 涙目で頭を押さえているスバル。 「心配ないわよ、もうなってるから。」 歯に衣着せず言うティアナ。 「ひどいよティア~…」 「いーから早く入んなさいよ。いつまでそこにいる気?」 「う~…」 体を流した後、湯船に浸かる3人。 「「「ほ~~~~。」」」 のんびりと湯に浸かり、同じ声を出す。 「お風呂って良いですね~。」 キャロが緩みきった表情で言う。 「ホントね。最初は慣れなかったけど、シャワーよりずっと良いわね~。」 「仕事とか訓練の疲れを取るにはもってこいだよね~。…ところでティア。」 急に隣りにいるティアナに話かけるスバル。 「何よ?」 「思うんだけどさ…」 そして素早くティアナの背後に回り 「またおっきくなったでしょ?」 その胸を揉みまくるスバル。 「何やってんのよアンタはーー!!」 「やっぱりそうだ。前より柔らかい。」 「シカトすんなっ!早く離れなさいよ!」 「んーこれはD、もしくはそれ以上かな?」 「離れなさいっての、このバカスバル!!」 誰もいないのを良いことに騒ぎ立てるティアナ達。 だが彼女達は、物陰から自分達を見詰める視線に気付いていない… (ぐふふふ。いいねいいね~、眼福だぜこりゃ。) その視線を放つのはもちろんあの男、希代のエロ男にして歩くワイセツ物、クルツ・ウェーバーである。 何故コイツが全くバレずにここにいるのかというと、M9にセットされている魔法の一つ“ECS”(電磁迷彩)を使用して透明化しているからだ。 しかもクルツはスナイパーという仕事柄、気配を消す術に長けているので尚更バレないのだ。 (大浴場の完成を待ち続けた甲斐があったな。俺は今日、この光景を一生、目に焼き付ける!!) 間違った方向に情熱を燃やす男だった。 カラカラカラ 大浴場の扉が開き、隊長組が入ってきた。 「二人とも何を暴れている。風呂では静かにするのがマナーだぞ。」 シグナムが二人の様子を見て咎める。 「「すいません…」」 ショボンとうなだれる二人。 「まぁまぁシグナム、そう怒らなくても。二人も悪気があった訳じゃないだろうし。」 フェイトがフォローを入れる。 「お前は部下に甘すぎるな、テスタロッサ。 まぁいい、我々も入るとしよう。」 「はやてちゃん、後でリインが背中を流してあげますです~。」 「うん。お願いするで、リイン。」 「はいです♪」 「ヴィータちゃん、後で頭洗ってあげるよ。」 「別にいいよ。一人でやるからよ。」 「そう言わずに♪」 「あたしの髪をいじくるな!」 そんなヴィータを見てくすくすと笑うなのは。 (うひょっ!!部隊長達のナイスバディまで! 今日は人生最高の日か!?) 予想外のハプニングに大興奮のクルツだが、その思考は冴え渡っていた。 (シグナム姉さん、フェイトちゃん、ティアナちゃんは予想通りのデカさだな。 なのはちゃんとはやてちゃん、スバルは次点だが形が良いな。 ヴィータとキャロ、リインは…まあ今後かな。しかしああいうスレンダーもまた…) エロオヤジ思考全開で品定めするクルツ。 人として末期だった。 「それにしても、さっきはなんで騒いどったん?」 何気なくティアナに質問するはやて。 「スバルがまーたセクハラしてきたんですよ。人の胸を揉んで…」 そこまで言ってティアナはハッと気付く。 はやてが黒い笑顔を浮かべている事に。 「ほ~~。そういや私、最近は忙しくてそーゆー事しとらんかったな~。」 意味ありげな発言を聞いたなのは、フェイト、シグナム、ヴィータは瞬時に危険を察知してその場から離れようとするが、はやてはそれを上回る速度で接近し、 「きゃっ!」 「ひゃっ!」 「あうっ!」 「うひっ!」 瞬く間に四人の胸を揉み終えた。 「ふむふむ、なのはちゃんとフェイトちゃんは前よりええ感じや。 シグナムのゴージャス感とヴィータのぺったり感は相変わらずやけどグッドやで。」 「あの速さで四人の胸を揉んで、さらには評価まで下すなんて…!」 「感心してる場合じゃないですよスバルさん!このままじゃ次の標的になるのは…」 「さ~て、今度はフォワード陣やな~。今日は特別にリインも揉んだげるで~。」 「え、遠慮しますです~~~!!」 そして響き渡る乙女達の悲鳴。 セクハラ魔人はやての独壇場だった。 (ぬおおおーー!!もうたまんねえーー!!!)鼻血を流しながらそれを見るクルツ。 だが、彼の幸運はここまでだった。 ECSは非常に魔力を食う魔法なのでクルツから直にではなく、デバイス内のコンデンサに貯めた魔力を使用するのだが、長時間の使用により残量が僅かになってきたのだ。 (ちっ、もう時間か。それじゃ最後に至近距離から…) しかし、湯船に近付くクルツの足下には先程の騒ぎで湯と一緒に流れてきた石鹸が。 (都合良すぎと言いたければ言ってくれ) クルツは当然それを踏んでしまい、思いきりすっ転ぶ。 「ぐおっ!?」 「何?誰かいるの!?」 クルツの上げた声に反応し、全員がこっちを向く。 (やばい!急いで撤退を…) 立ち上がり出口へ向かおうとするクルツだったが、丁度その時M9が 『コンデンサ内の魔力、エンプティ。ECSを強制解除します。』と告げた。 そして露わになクルツの姿。 「…クルツ君?」 やけに低い声で言うなのは。 「ふーん、クルツ君覗きしてたんや~。」 目が笑ってない笑顔で言うはやて。 「これはちょっと、許せないね…」 怒気を含んだ声で言うフェイト。 「覚悟の上での行動だろうな、クルツ?」 修羅の形相で言うヴィータ。 そしていつの間にか、全員がデバイスを起動し、包囲網を狭めてくる。 「ち、違うんだ!これはその…そう!魔法の使用テストで…」 「へー、魔法のテスト?ほな皆、私らも攻撃魔法のテストしよや。 内容は『非殺傷設定の威力限界を知る』で、的にはクルツ君がなってくれるそうや。」 「りょうかーい。」(×8) その言葉に戦慄を感じたクルツは逃亡を試みるが、踏み出そうとした足は氷で固定されていた。 「何っ!?」 「逃がしませんですよー♪」 リインフォースⅡの「凍て付く足枷」だ。 「さてウェーバー、制裁を下す前に、何か言い残す事があれば聞いてやるぞ?」 レヴァンテインをシュツルムファルケンの形態にしてシグナムが言う。その顔には一片の憐れみもない。 他のメンバーもすでに魔力チャージが完了している。 処刑の準備は出来ている、といった感じだ。 「…出来ることなら…」 観念したように俯いていたクルツが、ぽつりと言う。 「ん?」 「出来ることなら、俺がこの手で皆の胸を触りたかったあーーーーっ!!!!」 絶叫するクルツ。 「「「「「「「「「死ね!!」」」」」」」」」 ドゴォォォーーーン!!! 発射された色とりどりの魔力の奔流はクルツを飲み込み、壁をブチ破って突き進む。 「エロスは正義だぁぁーー・・・・」 そしてクルツは夜空の星の一つとなった。 「ふぅ、これで悪は滅んだね。」 なのはの言葉に一息つく一同。 だがその直後 ガシャーン! 出入口の扉が蹴破られ、そこから飛び出す影が一つ。 「全員無事か!!敵はどこだ!?」 ショットガンを構えた宗介が言う。 その場の空気が数秒間停止する。 しかし、すぐに自分への殺気の篭った視線を感じ取り、脂汗を流す宗介。(いかん…良くない…。この状況は非常に良くない…) 「主、いかがなさいますか?」 シグナムがはやてに尋ねる。 「状況はどうあれ、見た事に変わりないしな。おしおき決定や。」 そして再チャージされる魔力。 「待て!俺は…」 「「「「「「「「「問答無用!!」」」」」」」」」 ズドォーーーン!! クルツ同様に吹き飛ばされる宗介であった。 ああ、この哀れな軍曹に幸あれ… 終わり 目次へ 次へ
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彼が”ランスロット”を手に入れる3時間前・・・ ”彼女”が所属する時空管理局の人達は、本局より派遣された増援部隊の戦艦を 出迎えていた・・・ クロノ「これが”黒の騎士団”の所有する機動特装艦”アヴァロン”か・・・」 エイミィ「船体の大きさはうちのアースラよりも小さいですけど、数々の新装備を搭載した 画期的な新造艦なんですって、い~な~」 リンディ「エイミィさん、まずはお仕事、ね」 エイミィ「あっ、すいません・・・アヴァロンとの通信回線、開きます」 黒の騎士団 時空管理局本局総務、並びに特務戦略作戦部を総括するコーネリア提督直属の 特務師団、通称”ナイトメア”・・・ 黒の騎士団はその中に属する4番目の師団で、同総括のコーネリア提督の提唱により 各機関より優秀な若手のみを集めて昨年創設された 師団長ルルーシュ・ランペルージを初めとして全隊員の平均年齢が17歳という弱輩達ながらも 数々の難事件の解決に尽力して実績を重ね、各機関からも高い信頼を得ている 実力派の部隊である カレン「時空管理局本局第四特務師団副長、カレン・シュタットフェルト一等陸尉です ギル・グレアム提督の要請により本日付をもって皆様方と共同で任務にあたる事となりました どうかよろしく御願い致します」 リンディ「アースラ艦長、リンディ・ハラオウンです、お待ちしていました ごめんなさい、無理を言ってこちらに来て貰って・・・」 カレン「いえ、ハラオウン提督の事はコーネリア提督より伺っております とても優秀な方であると、こちらの方こそ光栄に思っています・・・ ただ、師団長と直属の第一部隊は現行の任務を継続中のため着任がしばらく遅れますが・・・」 リンディ「ええ、伺っています、カレン副長、着任の手続きを行う為にお手数ですが こちらに来ていただけないでしょうか」 カレン「はい、わかりました、ではそちらとの転移ゲートの接続コードの転送を 御願い致します、準備が出来次第そちらに伺います」 リンディ「リンディさん、御願い」 エイミィ「了解、接続コード、転送します」 カレン他数名のアヴァロンの主要メンバーがアースラのブリッジに招かれた リンディ「ではこちらの主要メンバーを紹介致します、左からクロノ・ハラオウン執務官」 クロノ「クロノ・ハラオウン執務官です、よろしく」 リンディ「次に管制官のエイミィさん」 エイミィ「エイミィ・リミエッタです、あのっ!、後でアヴァロンの中を見せてもらえますか!」 カレン「えっ?えっ、ええ・・・」 リンディ「エイミィさん?」 エイミィ「あっ・・・すみません・・・」 リンディ「・・・コホン、そして今私が預かっている嘱託魔導師のフェイトさんに その使い魔のアルフさん、それと私たちの協力者のなのはさん」 フェイト「フェイト・テスサロッサです」 アルフ「アルフだよ」 なのは「高町なのはです」 カレン「えっ!?、もしかしてこの子達も戦闘メンバーなんですか!?」 リンディ「えっ、ええ・・・何か問題でも?」 カレン「いっ、いえ・・・何でもありません・・・」 リンディ「後は・・・・・・・・・・・・」 リンディは他のアースラ管制メンバーを紹介した後、、アースラの中を案内した カレン「・・・しかしここの戦闘メンバーってうちのメンバーよりも若いんですね あたしびっくりしちゃって・・・」 リンディ「元々私たちは探査の方を主な任務としていましたから、それになのはさんと フェイトさんに関してはちょっと複雑な事情がありまして・・・」 カレン「・・・そうですか、でもあの子達の魔力とセンスは私の目から見ても 素晴らしいと思いますよ、もっと訓練を積めばうちのメンバー以上の魔導師になれると 思いますよ」 リンディ「元教導隊出身のカレン副長のお目に留まるなんて光栄ですね」 カレン「いや、教導隊出身と言われてもほんの数ヶ月居ただけですし・・・ いきなりこっちに引き抜かれちゃって”隊長やれ”ですからね・・・」 リンディ「やっぱり御苦労されている様ですね・・・」 カレン「えっ、ええ・・・そもそもうちの部隊の設立理由自体無茶苦茶ですし・・・」 リンディ「”状況に流されるままただ学び、上の者に従っているだけでは優秀な若手は 育たない、自らの意思で学び考え動く環境を作り内面を鍛える事こそ肝要”ですからね・・・ コーネリア提督らしい、といえば、らしいのですが・・・」 カレン「うちの皆もいきなり引き抜かれて提督にアゴでこき使われて・・・はぁ・・・」 リンディはカレンの肩をポンと優しく叩いた、と、その時だった エイミィ「カレン副長、アヴァロンから緊急コールです、至急ブリッジへ」 緊急の呼び出しが掛かり、リンディとカレンはブリッジに向かった アヴァロン管制「カレン副長、地球の日本地区に正体不明の転移反応を感知しました」 エイミィ「えっ!?うちのシステムには何も・・・」 カレン「アヴァロンには第七世代の自立思考型統合情報探索演算機構、通称”ドルイド・システム”を 搭載していますからね、僅かな転移反応の兆候も見逃しませんよ」 エイミィ「ほえ~、すっごいな~」 アヴァロン管制「ですが今回の転移反応は以前の転移反応とは別の物だとドルイド・システムが 判断しています、どうしますか?」 カレン「転移現出の予想時刻は?」 アヴァロン管制「約十分ごです」 カレン「・・・ここであれこれ考えていても仕様が無いわね、いいわ、出ましょう 私の第二部隊を出撃させて!第二部隊は準備が出来次第発進、対象が転移現出する前に 拘束結界を展開して押さえ込んで!私も直ぐに合流するわ!第三部隊は私の別命あるまで待機!いいわね!」 アヴァロン管制「了解!」 カレン「ではハラオウン提督、私達は出撃しま・・・!?すっ、すみません・・・ 提督の了承も取らずに勝手に決めてしまって・・・」 リンディ「ふふっ、いいのよ、頼もしいわ・・・、現場での戦闘指揮はあなたに一任します あっ、それと私の事はリンディと呼び捨てにしてもらっても構いませんから」 カレン「・・・では私の事もカレンとお呼び下さい、それでは、我々は・・・」 リンディ「あっ、待って、うちのなのはさん、フェイトさん、それとアルフさんを現場に向かわせたいのだけれど・・・」 カレン「えっ?よろしいのですか?」 リンディ「彼女達は優秀な魔導師です、きっとカレンさん達の助けになると思います、本当はクロノ執務官も 現場に向かわせたいのだけれど・・・あの子はまだ魔力が回復していないから・・・」 カレン「・・・解りました、では彼女達は私達のサポートに付いてもらいます、いいですね?」 リンディ「ええ、御願いします」 カレンは近くに居たなのは達の前に屈みこんだ カレン「現場に着いたら私の指示に従って欲しいんだけど・・・いいかな?」 なのは「はい!」 フェイト「わかりました」 カレン「では・・・えっと、リンディ・・・、さん、私たちは出撃します」 リンディ「御願いします、なのはさん、フェイトさん、アルフさん、気を付けて」 3人「はい!」 4人はアースラの転移ゲートから現場へと急行した、現場に着いた頃には既に第二部隊の魔導師達が転移反応地点を中心に 球状の結界を形成し、対象を待ち構えていた 彼女達も第二部隊と合流し、対象の転移現出を見守っていた、そして・・・ カレン「来る・・・!」 転移地点から現れたのは彼女たちが以前戦い敗れた相手・・・闇の書の守護騎士だった カレン(ビンゴ・・・!) 守護騎士達の周りを彼女達や第二部隊の魔導師達が包囲し攻撃態勢に入っていた カレン「私は時空管理局特務師団所属、カレン・シュタットフェルトです、第一級特定危険物不法所持の容疑で 貴方達を逮捕、拘束します!」 守護騎士達は今自分達が置かれている状況に驚き、愕然としていた シグナム「・・・馬鹿な・・・!」 ヴィータ「おいシグナム!!また転移反応を消し忘れたのかよ!?」 シグナム「・・・そんな筈は・・・ジャミングも仕掛けた筈なのに・・・」 ヴィータ「まずいぞ・・・こんだけの数の敵にかなり強力な結界・・・おまけにカートリッジも残り少ない・・・ どーするシグナム・・・?」 シグナムはヴィータに2発のカートリッジを手渡した シグナム「私が敵を撹乱する、お前はこれを使い結界を破って脱出しろ」 ヴィータ「・・・シグナムはどーすんだよ・・・」 シグナム「私もお前が空けた穴から脱出する、私に構うな、いいな?」 ヴィータ「・・・嫌だね、逃げんならシグナムも一緒に・・・」 シグナム「ヴィータ、我々は主を護らねばならん、何があってもだ・・・それはお前も解っているだろう?」 ヴィータ「・・・」 シグナム「お前はこの場よりの離脱を最優先に考えろ、いいな?」 ヴィータ「・・・わかった・・・」 シグナム「では行くぞ・・・ぬかるなよ・・・!」 シグナムはそういい残して飛び出していった、そして前方にいた魔導師・・・フェイトに斬りかかろうとした時・・・ カレン「・・・貴方の相手は私よ」 カレンが障壁を張り、シグナムの剣を受け止めた カレン(コイツは囮・・・多分あっちのおチビちゃんに結界を破らせるつもりね・・・なら・・・) カレン「コイツの相手は私がするわ!皆はもう一人の方を押さえ込んで!なのはさん達は皆のサポートに回って!」 カレンの指示で他の者達が一斉に攻撃を仕掛け、ヴィータはあっという間に劣勢に追い込まれた ヴィータ「くそっ、カートリッジさえあればこんな奴等なんか・・・」 シグナム「ヴィータ、今助けに・・・!?」 シグナムの前にカレンが立ち塞がった カレン「貴方の相手は私がするといった筈よ・・・行くわよ、紅蓮」 紅蓮(承知!) カレンは紅い法衣の様なバリアジャケットを身に纏っていた、そして彼女の右手には銀色の巨大な鉤手甲が 展開し、腕の部分にはベルカ式のカートリッジシステムが収められている シグナム「貴様ぁっ・・・!」 シグナムはカレンに斬りかかるが、カレンの右手から発せられる障壁に前にあっさりと弾かれ後方に吹き飛ばされた 態勢を立て直し再び斬りかかろうとするが・・・ カレン「火竜演舞!並びに閃熱衝波、同時発動!」 紅蓮(承知!) カレンの鉤手甲から薬莢と蒸気が吹き飛び、その直後に鉤手甲の周囲に膨大な魔力が発生した その魔力がやがて十数個の火炎弾と閃光を生み出し、一斉にシグナムに襲い掛かっていった シグナムはそれら全てをすんでの所でかわしていくが・・・途切れない、 いくらかわしても火炎弾と閃光が次々と襲い掛かり、ついにはかわしきれなくなって 障壁を張って身を守らざるを得なくなった シグナム(この女・・・!魔法複射の技能を持つ特異能力者か・・・!それに奴自身の 固有保持魔力量・・・ちっ、厄介な・・・!だが!!) シグナムは持っていた剣から波動を発し火炎弾と閃光をかき消した シグナム「この”レヴァンティン”には並の火炎魔法など役には立たんぞ・・・!」 カレン「・・・そうね、でも裏を返せばあなたの攻撃も私には”効き辛い”って事よ つまりあなたの”足止め”には私が最適という訳・・・」 シグナム「!!」 その時紅蓮から声が発せられた アヴァロン管制「カレン、奴等の仲間と思われる人物が一人、そちらに向かっているぞ! どうする!?」 カレン「・・・第三部隊を緊急発進させて!結界外部で対象を確保、または足止めさせて!」 アヴァロン管制「了解!」 カレン「さーて、お仲間さんもうちの部下が食い止めてくれているし、どうします? お互い全然本気を出していませんが、まぁ私は足止めに徹しさせてもらいますけど・・・ 降参するなら今のうちですよ」 シグナム「まずい・・・このままでは・・・!」 そのころザフィーラはシグナム達を助けに現場に急行していた、しかし結界外部に到達した直後、 彼は突如数名の魔導師に取り囲まれてしまった・・・ 隊長「我々は時空管理局の者だ!大人しく投降しろ!!」 ザフィーラ「何っ・・・!?くそっ、邪魔をするなぁっ!!」 シャマル「どうしよう・・・やはり闇の書の力を使って皆を助けるしか・・・」 そしてシャマルは遠く離れた海岸で事態の推移を見守り、狼狽していた・・・ しかし彼女の頭の中に突如聞き覚えのある声が響いてきた (シャマルさん・・・) シャマル「えっ・・・!?この声は・・・!」 「シャマルさん!!」 彼女が自分を呼ぶ声に驚き空を見上げると突如一人の青年が彼女の許へと降りてきた そしてその青年の姿を見て彼女は驚愕した・・・ シャマル「えっ・・・嘘・・・朱雀・・・さん・・・?」 ???「我々が放った餌に見事に喰らい付いた様だな・・・管理局も、奴も・・・」 ???「・・・ああ、八神朱雀・・・貴様の”力”とくと見せてもらうぞ・・・!」 戻る 目次へ 次へ
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「なのはさんとフェイトさんの最大攻撃魔法による奇襲、狙撃、ですか?」 リンディはカレンの提案を繰り返し尋ねた 「はい。なのはさん、フェイトさん、アルフさんをアヴァロンの ”緊急転移射出発進用ランチャー”に移送し、ランチャー内部で攻撃魔法を詠唱、 発動可能状態になり次第、対象の両端になのはさん、フェイトさんを 時間差で転移させ、その後片一方に魔法を発動させ対象を足止めし、 もう片方の攻撃で対象を殲滅します。」 「ですが、それは・・・」 カレンの提案をリンディは承認出来ずにいたが、カレンは説得を続ける 「・・・分かっています。正直言ってかなり汚い作戦ではありますし、 それに必ず成功するという保証も有りません・・・ですが、このまま奴等を見逃し あの悲劇を再び起こさせるわけにはいかないんです・・・ この作戦の成否如何に関わらず三人には狙撃終了後離脱を優先させますし、 それに”緊急転移射出発進用ランチャー”は通常の転移とは違い 空間歪曲による転移先との直接的な接続方式を採用していて 転移による魔力反応は事実上存在しません。実際先程の戦闘でも私達は 対象に気付かれずに転移、そして包囲に成功しています・・・ 御願いします。一度試してみてもらえないでしょうか・・・」 リンディは沈黙し、考え込む・・・ そして意を決しなのは達の前に屈みこみ尋ねる 「・・・こんな事を頼むのは本当に心苦しいのだけれど・・・御願い、出来るかしら・・・?」 リンディの謝罪の様な問いにフェイトが答える 「・・・私は構わないのですが、なのはは・・・」 そう言ってフェイトは不安そうになのはを見つめる。 「・・・大丈夫だよ。フェイトちゃん」 フェイトの心中を察したなのはが意外な程冷静に彼女を嗜める 「でも・・・」 「大丈夫。あの人は朱雀さんじゃ無いって、それは分かってるから・・・ 信じて、フェイトちゃん・・・」 「うん・・・」 二人の意味不明な会話が少し気掛かりではあったが、 リンディはそれを振り払い先程の問いの返答を促す 「本当に、いいの?もし嫌なら無理にとは・・・」 「いえ、大丈夫です。やらせてください。リンディさん」 なのははリンディの言葉を振り切り作戦参加の意思を示した それと共にフェイト、アルフも作戦参加を了承し、遂に・・・ 「・・・分かりました。カレンさん、貴方の提案を了承します。 なのはさん、フェイトさん、アルフさん。貴方たちはここの転移ゲートから アヴァロンの緊急転移射出発進用ランチャーに移乗してください。 以後の指示はそちらで出します。いいですね?」 『はい!!』 三人がリンディの言葉を承服し、応答する 「本当にごめんなさい・・・こんな役目を押し付けてしまって・・・どうか気をつけて・・・」 カレンがモニター越しに三人に謝罪する・・・ それを見た三人は微笑みながら頷き、ブリッジを後にした そして一方・・・ 朱雀達は前もって作成しておいた帰還用の転移ゲートに向かっていた そして転移ゲートにあと約3km程まで近づいたその時 突然自身の名を呼ぶ声に気付き、立ち止まる 「お~い!朱雀~!!シグナム~!!」 掛け声と共にヴィータが朱雀達の目の前に現れたのである だが、そのヴィータをシグナムが出逢うなり怒鳴りつけた 「ヴィータ!!何故来た!?お前ははやて様をお守りするという使命が・・・」 「違うんだ!!はやてが、はやてがぁっ・・・!!」 今にも泣きそうな表情でシグナムの叱咤を遮るヴィータ それを聞いた二人ははやての容態の異常に気付き、青ざめるのだった・・・ 同じ頃、アヴァロンの緊急転移射出発進用ランチャー内部にて なのはとフェイトが広域攻撃魔法の発動準備に入っていた 「私達が目標地点まで皆さんを送り出します。なのはさん、フェイトさんは対象の捕捉と狙撃、 只それ一点のみに集中してください」 シャーリーがなのは達に作戦内容を説明する 「はい!いくよ。レイジングハート」 (All right.Starlight Breaker.) 「御願い、バルディッシュ」 (Yes sir.Thunder Rage,get set) 二人の魔法詠唱と共に膨大な魔力が彼女達の許に集束し ランチャー内部が激しく振動する 「おっ、おい!保つのか!?」 アヴァロンの管制員が叫び、狼狽する 「うわっ、これは不味いねぇー。仕様が無い。はいっと!」 なのはとフェイトの傍で発進を待っていたアルフが状況を見兼ねて 二人の周囲に障壁を張りランチャー内部の振動を弱めた 「これで大丈夫なはずだよ。アンタ達はアタシ等を送り出す事に専念して。」 「済みません、助かります」 シャーリーがアルフに礼を言う 「いいってことさ。それよりも、しっかり頼むよ!」 アルフがシャーリーを激励し、彼女はそれに笑顔で答え、気持ちを切り替える 「発進シークエンスを開始します。ハッチ開放」 なのは達の前方に有る壁が下り、プリズムの空間の歪みが現れる 「転移先の空間座標軸測定、並びに環境監査を開始します・・・ ドルイド・システム起動。監査開始」 ドルイド・システムによって転移先の環境が測定され、転移に問題無しと判断される 「ランチャー内部、及び転移先との空間を接続、固定。続いて射出発進用魔力奔流噴出」 前方の空間の歪みが青空・・・つまり転移先の情景に変化し、 更にランチャー内部に金色の魔力の奔流が噴出され、ランチャー内部がそれに満たされていく 「転移先の情報を転移者のデバイスに伝達、並びに射出用の防護膜を形成」 なのは達の後ろに射出用の防護膜が形成され、更に転移先の情報がデバイスを通じ 彼女達の頭に叩き込まれる 「朱雀さん・・・」 なのは達の頭の中に転移先の情景が浮かび上がる・・・ 青空の中で朱雀・・・に良く似た人物が闇の書の守護騎士達と何か話をしている・・・そんな情景だった 「なのは・・・あれは・・・」 「・・・ごめん、フェイトちゃん。あれは”違う”って、分かってるから。信じて・・・」 「・・・うん・・・」 フェイトがなのはに忠告し、なのはもまたそれに応えた 「発進シークエンスの全プロセス終了を確認。進路クリア。 フェイトさん、アルフさん。発進、どうぞ!」 発進準備が完了しシャーリーが二人に発進の合図を促す 「・・・先に行くね、なのは。フェイト・テスサロッサ、行きます!!」 「同じくアルフ、出るよ!!」 金色の魔力奔流が二人を包み込み宙に浮かせ、直後に後方の防護膜ごと 二人を前方に一気に押し出し転移先に送り出す 「両名の転移射出発進を確認。続いて転移座標の再設定を開始・・・設定完了。 転移先の空間接続。魔力奔流再充填。防護膜形成。プロセス終了。なのはさん!発進、どうぞ!!」 「はい!!高町なのは、行きます!!」 先程の二人と同じくなのはも金色の魔力奔流によって前方に押し出され、転移する 「・・・転移射出発進完了。みんな、気をつけて・・・」 三人を送り出しながら、シャーリーは皆の無事の帰還を祈っていた・・・ その頃朱雀はヴィータからはやての窮状を聞き出していた 「・・・一時間位前にはやてが急に苦しみだして・・・今シャマルがはやてを看てるんだけど シャマルもどうしたら良いか分かんないって・・・ はやてが呼んでるんだ・・・朱雀の事・・・だから・・・だから・・・!」 ヴィータは朱雀の胸の中で泣きじゃくっていた。朱雀はそんな彼女を抱きとめ、宥めていたが、 彼の心の中は不安と焦燥が渦巻いていた・・・ 「戻りましょう、シグナムさん。今、直ぐに」 「分かっています。急ぎましょう」 二人がヴィータを抱きかかえながら転移ゲートに向かおうと飛び立とうとする・・・ 正にその時だった・・・ 「・・・ダー・レイジッ!!」 突如現れたフェイトが広範囲雷撃魔法を朱雀達に向けて放つ! 「なっ・・・!?ランスロットぉっ・・・!!」 (Yes,My lord. MG shell,set up) 突然の攻撃に朱雀は咄嗟にシールドを展開し、シグナム達を庇う 「くっ、そおっ・・・!!さっきの攻撃程じゃないけど、これも・・・!!」 朱雀はシールドに魔力を集中させ、雷撃を受け切っていた 「朱雀様っ!!」 「朱雀っ!!」 シグナム、ヴィータも朱雀を助けようとシールドを展開しようとした、その時・・・ 「・・・ライト・ブレイカー!!」 フェイトの放った雷撃の進行方向の反対側・・・ つまり朱雀達の真後ろから突如桜色の巨大な閃光が降りかかる!! (・・・まずいっ!!) 朱雀がそう考える間もなく、桜色の閃光が彼等を捉え、呑み込んでいく・・・ 星と雷・・・ その二つの魔力波動がぶつかり合い互いに干渉し、やがてその衝突地点から 眩いばかりの閃光と、全てを薙ぎ払う程の強烈な魔力波動と爆風を周囲に撒き散らす 朱雀達はその強大な魔力干渉に巻き込まれ、押しつぶされた・・・ そう、思われたが・・・ 「うっ、くっ・・・」 シグナムが目を覚ますと、彼女の直ぐ傍にヴィータが横たわっていて 更にそのすぐ後ろに闇の書と帰還用の転移ゲートがあった 「ヴィータ!おい、起きろ!」 シグナムがヴィータの身体を揺さぶり彼女を強引に起こす 「う~ん、何だシグナム・・・?」 記憶が混乱し、状況が上手く呑み込めないヴィータだったが、 やがて先程の攻撃の事を思い出し、動揺する 「そうだ、俺らさっきの攻撃で・・・!?朱雀は!?どこだ!?」 ヴィータの言葉にシグナムもハッと気付き、二人は慌てて周囲を見回す だが・・・周囲に朱雀の姿は無く、彼女達の遥か後方に巨大な噴煙が 上がっているのが見えるのみだった 「まさか・・・朱雀様・・・?」 「そんな・・・冗談だろ・・・?」 二人の後方にある巨大な噴煙・・・ 二人は最悪の事態を想定し、戦慄する・・・ 「・・・行くぞヴィータ!!まだそうだと決まった訳ではない!!」 「・・・ああ、わかってる!!」 矢も立ても溜まらず、二人はその噴煙の許に全速で飛び立つ 「・・・でも何で俺らだけ無傷なんだ・・・!!何で朱雀だけ・・・!!」 飛行している最中にヴィータがそう吐き捨てる。 「・・・恐らくは朱雀様があの砲撃が命中する直前に我等をヴァリスで吹き飛ばし 逃がしてくださったのだ・・・。そして・・・」 「馬鹿野郎・・・!!何であいつはいつも他人の事ばっかり・・・!!」 二人は己の無力さを痛感し、自責の念に苛まれていた・・・ 二人が先程の攻撃を受けた地点まで辿りつくと その余りの光景に二人は絶句した・・・ 攻撃地点の周囲に100m以上はあろうかという巨大なクレーターが存在し、 その付近で、カレン、クロノ、なのは、フェイト、アルフ他計30人以上の魔導師達が 一人の人物を包囲、拘束していた・・・ 「朱雀様・・・」 二人は直ぐに悟った。その人物こそ朱雀であると・・・ 「・・・行くぞヴィータ!!朱雀様をっ・・・!!」 「・・・ああ、待ってろ朱雀っ!!今助けに・・・!!」 二人がレヴァンティンとグラーフアイゼンを展開し、朱雀の許に向かい突撃していく、 その時だった・・・ 『来るなぁっ・・・!!』 突然の咆哮に思わず立ち止まる二人。 シグナムが何事かと前方を見据えると、そこには全身のダメージで憔悴していた朱雀が 鬼の様な形相で彼女を睨みつけている姿があった・・・ それを見たシグナムの脳裏に、かつて朱雀に言われたある言葉が過ぎった (僕と妹、どちらかを護らなければならないとしたら、先ずは妹の方を・・・) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」 シグナムの心の中に葛藤が生まれる 唇に血を流す程の痛みを自ら生み出しながらもそれに気付かぬ程に悩み、苦しむ。 散々迷い考えた挙句、遂に彼女は意を決し・・・! 「行くぞシグナム・・・っておい!何すんだよ離せっ!!」 何とシグナムはヴィータを抱え朱雀の居る場所とは逆の方向へと飛び去ったのだ! 「離せ馬鹿野郎!朱雀がっ!朱雀がぁっ!!」 ヴィータがシグナムの腕の中で暴れまわると逆にシグナムがヴィータを叱咤する 「黙れヴィータ!主の・・・”朱雀様の命”だ!!黙って従えっ!!」 「ふざけんなっ!!何が朱雀の命だっ!?はな・・・!?シグ・・・な・・・」 尚も暴れ回るヴィータにシグナムが彼女の腹部に当身を食らわせ気絶させる (お許しください・・・朱雀様・・・) 心の中で朱雀に幾度も詫びながら、シグナムはヴィータを抱え転移ゲートの方に 引き返していくのだった・・・ 「ありがとう、シグナムさん・・・どうか・・・はや・て・を・・・」 朱雀はそう言って気を失ってしまった・・・ 「・・・闇の書が見つからないからもしやと思っていたけれど・・・ まさか無傷だなんて・・・ちっ、厄介な・・・!」 カレンはそう言って舌打ちする 「カレン!奴等は俺達が追う!お前はこの男の護送を!」 わかったわ!気を付けて!」 第三部隊の隊長がカレンに提案し、カレンもまたこれを了承する 「・・・カレンさん、僕達も行きます。なのは、フェイト、アルフさん、行きましょう」 「分かりました」 「あいよ」 クロノの提案にフェイト、アルフが応答するが・・・ 「・・・」 只一人、なのはだけが朱雀を見詰めながら震えていた・・・ 「・・・クロノ、きっとなのはは疲れているのよ・・・私達だけで行きましょう。 カレンさん、なのはの事を頼みます・・・」 そんななのはの心情を察したフェイトがクロノとカレンにそう進言する 「・・・分かった。行こう。カレンさん、なのはを・・・」 「ええ、任せて。みんな、気を付けて・・・」 こうしてクロノ達と第三部隊が逃亡したシグナム達を追撃し、 カレンと第二部隊が朱雀をアースラへと護送する事となった そして一方・・・ なのはは自分の目の前にいる人物・・・朱雀が放った”はやて”という言葉に動揺していた・・・ (そんな・・・じゃあやっぱりこの人は・・・朱雀さん・・・なの・・・) 彼女の心の中に生まれる強い恐怖と罪悪感・・・ それに堪えきれず彼女はレイジングハートを地面に落としその場にへたり込んでしまう・・・ 「わ・・・私が・・・朱雀さんを・・・撃っ、た・・・? 嫌・・・そんなの・・・嫌ァっ・・・!!」 なのはがそう叫び、カレンが彼女の許に駆け寄ると、彼女は既に意識を失っていたのだった・・・ 戻る 目次へ 次へ
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